団塊世代へのメッセージとして、新聞・雑誌で語られているところを拾うと、「健康であることで医療費減、負担を掛けない自主努力」、「地域デビュー」(地域貢献・同好の士の集まりへの参加、或は結成・ボランティア活動)、「生活を楽しむ」(趣味の充実・料理や家事へのチャレンジ)、といった内容が見られます。
どれももっともな意見や提案です。しかし、皆さんにとっての難関は、皆さん自身の「意欲」・「行動力」にあるのです。「ちょっと待って、ようやく手に入れた時間なのだから、まずは骨休みを。だからしばらくは気ままな生活をしたい」と、おっしゃりたい気持は解ります。
でも、この新たな時代に入るにあたって、この最初が大切なのです。停年後生活の先輩各位の反省の弁の多くが、「ここでちょっと一息」を入れたがために、出遅れ、ますます意欲減退、何事も煩わしいと思うようになった、といった傾聴の弁があります。
そこで、思い出してみてください。あなたが新入社員であった頃の心境を、緊張・不安の中で、新しい「職場」という環境に慣れることにガムシャラだったことでしょう。「あの時」の意欲を取り戻しましょう。新しい生活とは、あたらしい服を着て、新たな環境に慣れることなのです。
ただし、あの頃と大きく違うのは、今のあなたの前には、上司とか監督者は居ないということです。あなた自身が新生活の新入社員であり、その監督者でもあるということ、このことをしっかり自覚して下さい。
そして、勇気を奮い起こして、行動の第一歩を踏み出すことなのです。「何をしていいのやら」とおっしゃる方へは、自宅という紛れも無い原点に立って地域を把握することをお勧めします。
それは「情報収集」といっても良いでしょう。その行動がまず必要です。
区役所とか市役所、消防、警察、小中学校、など等の公共施設の位置確認と共に、住民サービスとしてどんなことをやっているのかも確かめてみてください。税金だけ払って、今まで無縁に近かった場所を、散歩がてらに探索するのも仕事の内と考えてください。
何かがあって行くところから、何かが発生する前に知っておくべきところとして訪ねてみてもいいでしょう。役所関係はちょっと入りにくいとお考えの方へのお勧めは「図書館」です。手当たり次第に本を引っ張り出して、パラパラ頁をめくってみるとか濫読でも結構です。
実は、公共の図書館では、区報とか、町の広報誌などといった、地域情報誌なども置いてあって情報センターの役割もあるのです。どんなことが出来そうか、あなたが参加する機会はないか、何かやれることはないか、冷やかし半分でも結構です。
あなたが動かない限りこのドアは開かないのです。地域デビューの第一歩としてこの「散策・探索」という第一課題を差し上げたいと思いますが、如何でしょうか。(続く)