2006年の早春、まだ梅の花が清香を放つころ、東京郊外の京王線高幡不動駅近く、南観光タクシー本社の剣道場「至誠館」の中から、何やらジャズ音楽と掛け声や手拍子やらが聞こえていた。
磨き上げられた、だだっ広い剣道場内で大きく円陣を組みながら、ジャズダンサー冨迫宣子さんが2時間たっぷり熱血指導するのは、シニアクラスのウォーミングアップを兼ねたストレッチングとジャズダンスステップ。
この剣道場は、臨時に借りたジャズダンスの練習場。習い始めて数年の若い女性も入り混じっての週一回の練習だが、15年以上も続けているというシニアクラスの熟女たちは、エイトビートのリズムに合わせて身体を動かしながら、ジャズダンスのステップに陶酔できることに、格別に生きがいを感じているようだった。