主張・コラム 「余暇」

08年デジハリ・マネーカフェ・団塊サポート3社共催新春セミナー風景

なすべきことは自らの「ゴール」を定めること

いかに使うかを目標にライフプランを設定

 「リタイアメントプランを考えなければならない団塊世代にとって、まず次のゴールを定めることが重要です。しかし気を付けなければならないのは、普通は目標を定めて、そのために、さらにどうすればいいのかということだけを考える方が多いのですが、ファイナンシャルプラン的なゴール設定の考え方は、ゴールを設定するときに、同時に現状そのものも認識する、ということが大事なのです。

例えば、ある金額の老後資金があったとして、これでは足りないので、あと1000万円貯めたいという目標を設定するとすれば、コツコツ貯めるなどの方法論を思案する前に、いま現在、実際いくらあるのかということが重要になってくるわけです。

あと1000万円の貯蓄目標のために、いま現在が0円なのか、300万円なのか、800万円、なのかで、だいぶ方法論自体が違ってきます。つまり、目標となる資産全体と現状の資産全体のギャップを明確に把握することが重要になるわけです。

さらに、その貯蓄目標をいつまでにやるのか、3年後、10年後、25年後までなのかによっても、方法論は全く違ってきます。

また、目標の1000万円がある設定期間に貯まったとしても、その1000万円を、その後どうするのか、即全部使い切ってしまうのか、徐々になくなる形で使わなければならないのか、ある期間に何回かに分けて使うのかによっても、方法論は違ってきます。

こうした考え方は、ライフプランニングの要諦であり、本来、お金は貯めなければいけない、殖やさなければならない、と思っておられる日本人の方はかなり多いのですが、なぜそうしなければならないのかと明確に答えられる方は少ないのではないかと思います。

日本全体の個人金融資産1500兆円のうちの6割は、65歳以上の高齢者の金融資産であると一般的に言われておりますが、お金を使わないでひたすら貯めること自体が目標だった世代でもあり、当然の結果だと思います。

もっと我々は、いかに使うか、ということを目標に、お金を蓄えていく必要があるのではないかと思います。

どう使うか、何に使うのかを明確にしていくことが、これからのライフプランニングには、特に重要になってくると思います。

今後の団塊世代のライフプランニングに重要な、お金を使う目標のために、自分はこれからどうしていきたいのか、どう生きたいのか、つまり80歳のときにどうしたいのか、90歳、100歳を迎えたときにどうしたいのかを考えて、今を考える、つまり目標設定と現状のギャップを考えていくというが大事だと思います。

例えば、ある方の目標設定の90歳のときの健康状態が、何とか健常で生活を維持できているのか、認知症などが進んでいるのかは誰にもわかりませんが、どちらの想定状況を取るにしても現在の方法論は違ってきますし、いずれの場合にも対処できる対策を施す必要もあるかと思います。

また、同じ金融資産や貯蓄目標、同じ年金額であったとしても、それぞれの現状の家族・社会環境や生活条件も様々なので、万人が万人、十人十色のライフプランがあり、それぞれのファイナンシャルプランが組める、ということになります」

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