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「父子共作 半自伝 波瀾万丈90年
二度と戦争はせんど! 」

波瀾万丈90年 二度と戦争はせんど! 父子共作 半自伝 波瀾万丈90年
二度と戦争はせんど!

萩原勝義 著 補筆・構成 萩原彰一

刊行予定(ネット販売)

2009年8月15日(土)終戦記念日 刊行予定

2009年8月12日(水)からの配本開始を予定いたしております。

初版限定発売部数 300部

定価2,625円(本体価格2500円+税125円)

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「新刊本抄録」<兵籍番号「佐徴空2188」>

大村航空隊時、25歳時の"勝ちゃん"こと筆者萩原勝義。

「兵とは概ね農家の二男三男にして身体頑健なるも動作緩慢、知能すこぶる劣る」

 かかる語呂のよい言葉をいつとはなしに覚えるから、兵とは先輩兵の真似が出来れば一人前。二人前も出来る必要は無い。

出過ぎる杭は打たれるの例え。バッタの餌食にされるが落ち。言葉は「ハイ」と「イイエ」と「ワカリマシタ」。これだけ言えれば上等なんだ。

これ以上の言葉は先輩か上司が使うもの。新兵が使うとこれは「言い訳」となり、これもバッタの最高の餌食となる。

「ハイ」と「イイエ」は絶対に取り違えてはならぬ、命に差支える事がある。

ちなみに「下士官」とは兵の老いたるものにして、鼻下に髭など蓄えるも、新聞、雑誌をようやく判読する程度……。

かかる下士官兵に教育される新兵が、どんな兵隊に成るか推して知るべし、推さなくとも十二分に分かっている筈。

尋常高等小学校をやっと卒業した我が輩も、これから他の里芋共と一緒にオスタップにほり込まれ、しっかり揉み洗いされて一皮も二皮もはぎ取られ、しっかり海軍の卵に変えてくれるのがこの海兵団。半年後、否正確には5か月後、卵は孵って雛に成り、海軍の新兵さんが誕生する訳だ。

入団の1日は先ず兵籍番号を教えられる事から始まる。

私の兵籍番号は「佐徴空2188」。この記号番号は私が退役するまで、常に一緒に居る訳で、同姓同名の兵はいても、同じ記号番号の兵はいない訳である。

入隊時私は15分隊の3班で、分隊長○○中尉、分隊士○○兵曹長、教班長は酒谷上等整備兵曹だった。分隊長と分隊士の名は記憶にない。退団するまで数えるくらいしきゃ会っていないのだから無理もない。

分隊長が〝オヤジ〟、分隊士が〝オフクロ〟なら、教班長は一番身近な〝兄〟と言う所だ。これから先海兵団を卒業するまで、私達は〝兄〟と慕う教班長に海軍と言うものの百般を伝受して貰う訳だ。テーブルに着くときは、教班長は上の方にチストを置き、それに腰掛け、私達は左右に7名ずつ14名、これが3班の全員である。

これから卒業迄、班長を入れて15名、娑婆の家族より強い絆で結ばれて行く仲間なんだ。



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